アトピー性皮膚炎根本治療へ?

アトピー性皮膚炎はかゆみの強い慢性の湿疹で、悪化や回復を繰り返します。多くの場合、アトピー素因(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎)をもつ人に生じます。主に小児期に発症し、成人では治癒することが多いのですが、成人になって再発したり、重症になることもあります。

 

 

かゆみの仕組み判明

 

アトピー性皮膚炎は、皮膚から体内に侵入した異物への免疫が働きすぎるなどして皮膚のかゆみが慢性的に続くアレルギーです。九州大のチームが9日付英科学誌(電子版)で発表しました。このたんぱく質の働きを抑え、かゆみを根本から絶つ治療薬の開発を目指すそうです。

 

 
異物を認識した免疫細胞から、かゆみの原因物質「IL31」が大量に放出されることが知られていますが、発表によると、九大の福井宣規主幹教授らは、重いアトピー性皮膚炎のマウスの免疫細胞内には、正常なマウスにはないたんぱく質「EPAS1」を発見しました。その時、遺伝子操作で免疫細胞内のEPAS1を増減させるとかゆみの原因物質IL31の放出量も同様に増減し、放出にEPAS1が重要な役割を果たしていることが解明されました。

 

 

アレルギー疾患の年齢別患者構成割合の比較

 

アトピー性皮膚炎

0~19歳 : 36%
20~44歳 : 44%
45~69歳 : 16%
70歳以上 : 4%

全体として若年者に多い 結果がでています。

小学生であれば、1クラスに数人のアトピー性皮膚炎の患者さんがいるはずですが、大半の人は年齢が上がるにつれて、自然に症状が落ち着いてきます(自然治癒)。一方、ごく一部の重症の患者さんでは、20歳を過ぎても治りきらないことがあり、65歳以上の高齢者になっても症状のある人もいます。

 

幼い頃にアトピー性皮膚炎にかかったことがなくても、20歳を過ぎて発症する人はいます。しかし、中高年でいきなり発症する人はごくまれです。成人の患者は、外部環境や家族歴や他のアレルギー疾患の既往歴のある人がほとんどで、全く何も素因のない人が急にアトピー性皮膚炎を発症することはまずありません。

参照:患者調査(総患者数、性・年齢階級 × 傷病小分類別)データを基に集計

 

 

正しいステロイド外用薬の使い方

 

_ehlpgy1dithydg1484066660_1484066817

 

アトピー性皮膚炎は、皮膚にアレルギーによる炎症が起きることで、痒みや赤みなどの症状が起こります。炎症を火事に例えるならば乾燥した皮膚は火事のために乾燥しているとも言えますし、乾燥しているために火事になりやすいとも言えます。まずは、火事を起こしている部分を鎮火することが大切です。そこで、登場するのが火事である炎症を抑える抗炎症薬の代表格がステロイド外用薬です。

 

ステロイドの役割・副作用

ステロイドは昔から使われている薬で、元々体に存在するものです。なのでその作用や副作用はよく知られています。ステロイドの副作用を気にする人は多いですが、以前より正確な情報が広がったことで、ステロイド恐怖症は減っています。ステロイドの副作用を恐れて、少量塗っていてもよくなりませんし、よくなったからと言ってすぐにやめてしまうと、またすぐにひどくなってしまうことを繰り返してしまいます。適切な使い方を正しく理解することが大切です。

 

ステロイドの正しい使い方

ポイント1 最初が肝心! 適切な強さ、適切な量のステロイドを外用薬
アトピーは、炎症という火事のような状態ですから、最初にしっかりと鎮火することが大切です。最少は強いステロイド剤で炎症をしっかりと抑えます。子供なら、ストロング(strong:強い)からマイルド(mild:中等度)、大人なら、ベリーストロング(very strong:とても強い)からストロング(strong:強い)のステロイド剤を使います。

 

ポイント2 きれいになってもすぐにやめない
見た目がきれいになっても、皮膚の中では炎症が残っていることがあります。小い火がまだくすぶっている状態です。この時点でステロイド剤を辞めてしまうと再び火事になってしまう「リバウンド現象」が表れます。再び最初の量のステロイドを塗ることになってしまいます。見た目がきれいになっても適切な量を使い続け、炎症をしっかり抑えゼロにすることが大切です。この炎症がゼロになったかどうかが判断し辛いことが、アトピー皮膚炎が治りにくい原因の1つでもあります。

 

ポイント3 完治後もスキンケアと悪化因子の除去を忘れない
ステロイド剤で炎症が治まっても、一時的なことがあります。子供の場合は、食物が原因になっていることが多いです。大人の場合はストレスやダニ、ホコリなどの環境因子が原因になっています。それらの原因を除くことが大切です。乾燥肌などのままですと、皮膚からの細菌、ウイルス、アレルギーを起こす物質が侵入し、皮膚炎を再燃してしまうので、保湿を保つスキンケアはとても大切になります。

 

 


 

この度、アトピー性皮膚炎のかゆみの原因をつくり出す役割をもつたんぱく質を突き止めたと報じられています。アトピー性皮膚炎の治療の特効薬の開発に期待しています。私はアトピー体質で子供の頃から皮膚科通いでした。中学生くらいから症状は落ち着いてきましたが、30歳過ぎたくらいから時々悩まされています。治療薬のステロイド剤の使用方法には十分注意が必要だと思います。

(キュレーター:remon)

 

最新情報をチェック!