アメリカのユタ州で、2歳の双子の男の子たちがタンスによじ登り、1人が下敷きになってしまいました。 すると、もう1人が重たいタンスを懸命に押し始め、下敷きになったもうひとりをなんとか救い出しました。 2歳児のけなげな姿が共感を呼び、ネット上では300万回近く再生されました。公開した母親は「転倒防止のため、家具を固定する必要を訴えたかった」そうです。
発達段階から子どもの事故の原因を見てみましょう
◆0歳児
まだ自分で自由に身動きがとれないため、窒息(ちっそく)による事故がほとんどです。窒息が全体の9割を占めています。
◆1~4歳児
外に出る機会も増え、交通事故によるものが増えて3割、半数を占める窒息の次に多くなっています。
◆5~9歳児
外で活発に活動するようになり、全体の6割は交通事故が原因です。次いで、溺れ(おぼれ)が全体の1/4を占めています。
よく見られる子どもの事故の例
・ 階段・ベッド・ソファからの転落
子どもは身長からみると頭の割合が大きく、柵から身を乗り出すと向こう側へ転落しまう恐れがあります。
・ 風呂場での転倒、溺れ(おぼれ)
風呂場は狭く、水や石けんなどで滑りやすいため、転倒すると頭を打ったり、浴槽内では水を飲んで溺れることもあります。
・ 調理器具や食料品、暖房器具等によるやけど
コーヒーメーカーや電気ポットなどは、コードを引っぱると、上からお湯をかぶってしまうことがあります。
・ タバコ、電池等の誤飲・誤嚥(ごえん)
小さい子どもは何でも口へ入れて舌で確かめようとします。特にボタン電池は喉で詰まったり、中身が出ると胃に穴を開けかねません。
・熱中症
子どもの体は大人に比べ水分の割合が多くできていますが、体が小さいためすぐに水分が不足してしまいます。眠っているからと車に残して用を済ませている間に脱水症状を起こしてしまいます。あっという間です。
こどもの事故を未然に防ぐために
事故の予防に取り組むときには、子どもの月齢や年齢で起こりやすい事故、重症化しやすい事故、発生頻度が高い事故は何なのかを知り、それに対して家庭内の環境設備を整えて予防策をとることがとても重要です。
例えば、階段やベッド等からの転落を防ぐには、階段に行かないように柵を設置することや、ベビーベッドの柵は常に上げておき、柵がない大人用ベッドやソファ等には寝かせないようにしましょう。誤飲してしまいそうな小さいサイズのものは床から1m以上の高さに置くことや、一口サイズのある程度固い食べ物は切って食べさせ、飲み物の容器には食品以外のものを入れないようにしましょう。やけどをする危険がある電気や熱を発する家電等は、子どもの手が届くところに置かない等、こまめに片付ける手間を惜しまないことも重要です。
- 子どもを高さがある場所に乗せたら目を離さないようにしましょう。柵や囲い等で転落を防ぎましょう
- 入浴中は子どもから目を離さないようにしましょう。入浴中以外でも、子どもが風呂場に簡単に近づけないようにしましょう
- 火や電気等のやけどを負う危険があるものには子どもを近づけないようにしましょう
- タバコや電池等は子どもの手に触れるところに置かないようにしましょう
- 商品選びを工夫しましょう
引用元 独立行政法人国民生活センター
子どもは日々成長し、昨日はできなかったことが今日はできるようになります。そのときどきで事故は発生しいてしまいます。 1歳以上の子どもの死亡原因の第1位は「不慮の事故」(思いもよらぬ事故)と言われています。 また、子どもの事故の半数以上は家庭内で起こっています。 子どもの年齢や発達段階に合せ、いつ頃、どのような事故が起こりやすいかを知ることで、子どもを事故から守ってあげましょう。
(キュレーター:SILVIA)